Archleaf

風吹き渡るデッキの家

2001/京都市/木造3階建て(一部鉄骨造)/85u

58.65u(17.7坪)という小さな敷地です。
屋根のあるガレージもご希望です。
しかし車が主(ぬし)のような安っぽい家にはしたくない。耐力壁も必要です。
全部満たそうとすると敷地の間口が足りない。
そこで1階の前面の柱梁を鉄骨造にして、柱(左の写真右下のダークブルーの柱)をむき出しにして敷地いっぱいに建てました。
2階の柱はちょっと内側にずれて載っています。車のドアを開けるスペースの分だけ玄関ドアは奥に入れています。木製のドアなので奥に在るのは雨よけにもなって機能的でもあります。
小さいからといって玄関の趣きも損ないたくない
前面の唯一の耐力壁は綺麗な色のb器質タイルを貼り大理石の表札を埋めて家の顔としました。そこから1段入って玄関ドアです。玄関ドアの横の壁には埋め込み式の郵便ポストがあって室内から郵便を取り出すことが出来ます。横の面なので道路から目立つことがありません。
小さな家では、こういう細かな心遣いが必要です。その積み重ねが小さくても豊かな家を生みます。
玄関を入ったところです。
奥には6畳の和室が見えています。
和室は南に面して大きな開口を採っています。
鏡の扉の部分は造り付けの下駄箱とクローゼットです。
1階には他に洗面所、お風呂、トイレがあります
玄関を上がって玄関ドアの方を見返したところです。
ガレージ側はガラスブロックの壁でその上の欄間もガラスになっています。
ご覧のように大変明るい玄関です。
タイル張りの床の部分はちょうど畳一畳分ですが二辺をフローリングの廊下が囲う形なので上框は1間+半間=1.5間の長さがあります。
面積は小さいけれど二方に分かれて座って、ちょっとした話ぐらいは出来ます。
ガレージ奥の和室の床の間です。
広さも高さもありませんが、趣があります。
明り取りの地窓の向こうがガレージです。
この窓を開ければ、南北に風が通り抜け夏でも快適です。
風の通り道、これは施主が強調して希望されてきたことで、私も常日頃大事にしていることです
2階のダイニングキッチンは
障子を開ければ和室と一つながりです。
見上げれば吹き抜けで3階の洋室とも
つながって小さいけれど豊かな気持ちのいい空間です。
冬場の暖房効果のためシーリングファンを付けています。
照明はランプ交換のことを考えて、脚立で届く範囲の高さで、4隅に間接照明、中央にはワイヤリングシステムのダイクール電球を吊っています。
同じ場所を少し角度を変えて、見ています。
和室とダイニングの間の障子は1間半の3本引きで、夏には完全に取り外して開放します。
この吹き抜け上部の洋室も天井いっぱいの高さの障子で開閉出来ますので豊かな空間の広がりを感じることが出来ます。
この吹き抜けの上部手前側(北側)にはハイサイドライトがあり、北の空の柔らかな光を取り込むとともに、ここでも南北の風の通り抜けを十分に確保しています。高低差のある開口によって自然の気圧差による風も期待出来ます。
2階の6畳の和室です。
小さいけれどちゃんとした床の間と仏壇の間も有ります。
南の窓は1間半を2枚割りした大きなテラス窓です。外はバルコニーです。
収納は両壁面にあります。