Archleaf

風吹き渡るデッキの家

2004/京都市/木造2階建て/弟99u+兄146u

施主のお父さんの土地に兄弟の家を並んで建てました。これは弟さんの家です。夫婦そろって沖縄が好きで、沖縄の感じを出したいとのことでした。沖縄の琉球瓦のメーカーに電話して本場の瓦で屋根を葺こうと、いろいろ打合せをして努力したのですが、雪の降る場所では素焼きの瓦では雨漏りの恐れがあることや、全て漆喰で固めることのコストアップなどで、実現しませんでした。建築様式は風土に根ざしたものですから、当たり前の結論です。しかし、何とか御二人の気持ちに近づきたいと頑張りました。
沖縄風を読み替えて、暖かさ、素朴さ、素材感、清清しさ、南のイメージなどを追い求めました。予算の関係もありますから、人を迎える玄関を含む1階の下屋部分を重点的にデザインすることにしました。設計にはメリハリが大事です。いろいろな見本を取り寄せて検討した結果、屋根は明石の窯変S瓦に決定しました。玄関とポーチの床もそれに合わせて窯変のb器質タイルです。ドアは防火のスウェドアに現場で自然塗料塗りです。石垣部分の中は坪庭です。石は本物ではありませんが、良く出来ています。一つ一つ違う形を職人さんが手で貼っていきます。貼るのではなく、積むようにやってほしいと、職人さんに強く指示しました。設計監理の肝です。
玄関を入ったところ
階段とリビングダイニングへの入口が見えます。
床のフレンチパインのフローリングは厚さ22mm、幅150mmのザックリとした素材感が魅力的です。壁と天井は珪藻土塗りです。
リビングダイニング
玄関と同じく、床はフレンチパインのフローリング壁と天井は珪藻土塗りです。壁面の収納部の扉はパイン材の既製品です。イメージに合うものを見つけることが出来て、うまく他とのバランスを良く設計出来れば、既製品のほうがコストパフォーマンスは高いです。既製品とオリジナル部分の使い分けはローコスト設計の肝です。
2階 子供部屋
屋根裏は全て現して有効に使います。ドアや収納の上部はロフトになっています。
現しの梁や束は米松の乾燥材に自然塗料塗りです。床はコルクタイルです。将来、真ん中の梁に沿って部屋を二つに仕切ることが出来ます。
オリジナルの郵便受け
今回、私がデザインして施工図を描き、腕のいい大工さんに作ってもらいました。米杉ですので耐候性は抜群です。屋根部分の手前が上に開きます。ダイヤル錠付です。既製品ではこういう木製でシンプルなデザインはなかなか在りませんので作りました。もし、欲しい方はメールください。大工さんは5万円ぐらいといっています。値段の交渉の余地はあると思います。デザイン料はタダです。
1階南側のウッドデッキ+2階バルコニー
柱、梁、手すりはヒノキ、床はウエスタンレッドシダーです。ここもどこか南方のイメージでデザインしました。横桟は貫になっていてしっかりしています。
ウッドデッキからバルコニーを見上げ
お兄さんの家です。
ご両親との二世帯住宅です。やはりそれらしく風格を持たせたかったのでレンガタイル貼りの外壁にしました。床は窯変のb器質タイルです。
リビングダイニングからキッチンをのぞむ
キッチンカウンターの下は造り付けの収納です。床は同じくフレンチパインのフローリングです。コンロ前だけ壁があるオープンキッチンです。
ご両親の部屋です。
6畳二間続きの和室です。南側の障子の向こうは長い広縁が有ります。