Archleaf

風吹き渡るデッキの家

2002/京都府城陽市/木造2階建て/140u

このお家は私のオープンシステム第1号です。「価格の見える家作り」にも掲載されています。

スケール1/50の模型です
お客様には図面よりも内容が良く伝わります。
いろんな角度から眺めていただきます。
屋根を取って中も見て24時間の自分の行動を想像力を膨らませて疑似体験して頂きます。
そうすると何か改良すべきところや思いがけなく感動するところが出てきます。
上の写真は南東から見たもの、右の写真は南から見たものです。
このお家のテーマに掲げた「風吹き渡るデッキ」の様子が良く分かります。
手前の南庭のデッキからリビングダイニングを通り北庭へ抜ける風の道が見えます。
南も北も大きく2間分のテラス窓です。
北北西から見た写真です。
模型は屋根をはずすことが出来ます。
現しの柱や梁もちゃんとヒノキの角材で作っていますので臨場感があります。
立体的な吹き抜けの様子が良く分かります。
2階部分もはずせますので、1階も2階も間取りが良く分かります。
南東からの外観
1階手前は玄関です。
2階は家族の個室が全て南に面して並び、大きなバルコニーで繋がっています。
塀の支柱建てと板嵌め込みは施主のF氏の家族と友人と私の共同作業です。
板塀は支柱がステンレスのレールになっていてウエスタンレッドシダーの1×6材を落とし込むだけなのでメンテナンスが簡単です。
木は良いものですが、特に外部はメンテナンスがやりやすいようにとことん考えるべきです。
バルコニー部分も取り替えるべきときが来たら簡単に建物から取り外すことが出来るようになっています。
北西からの外観
大屋根はガルバリウム鋼板の素地の瓦棒葺き
夏場の太陽の直射熱はかなり反射します。
大屋根には薪ストーブの煙突とトップライトその下はゆったりとしたリビングがあります。
西からの外観
F家の家族を優しく包む象徴的な一つ屋根の端正なフォルムです。
外壁の色モルタル櫛引の表情は手仕事のゆらぎと優しさに満ちています。
玄関ポーチ正面
玄関ドアはホワイトアッシュの無垢材、取手はF氏自ら磨き上げたサクラの自然木です。
曲がり具合や取り付ける向きなど綿密に打合せしました。
建具屋さんと一緒に難しい取り付けが出来たときお互いに思わず嬉しくて笑い出しました。懐かしい思い出です。
床はメキシコ産のテラコッタタイル300角です。
玄関ドアを開け中へ
照明はF氏自慢のアンティックです。
左手南側のテラスから玄関中に光が舞い込みます。
玄関の板の間
出迎えてくれたのはF家6番目の家族、ラブラドールレトリバーの「リン」です。正面は大壁の壁厚を生かしたニッチ、右手はワードローブとスタンディングデスク小物入れ、左手は幅2m37cmのシューズボックス 扉はワーロンプレート、天板はSA合板、壁はYNプラスター木ごて荒仕上げです。安くて強い、無垢の素材感があります。玄関土間も含めて6畳強の広さが有り、たいていの接客はここで気持ちよく出来ます。
ダイニング
F氏が愛情込めて磨き上げたトチノキの大テーブルです。長さ3m20cm、幅90cm、厚さ9cm
左奥は収納カウンター越にキッチン、右奥は薪ストーブの有るリビングです。
リビングダイニングにある薪ストーブはカナダからの直輸入です。薪ストーブの個人輸入の大先輩の太田さんのご指導を受けて、ほぼセルフビルドで設置できました。設計中は一度諦めかけたFさんですが息子さんの励ましで復帰しました。この薪ストーブが一番良く納まるように、家の中心に家族の象徴となるように設計しました。煙突は真直ぐに上へ伸び、天井には正逆運転可能なシーリングファンと二つのトップライトがあり柔らかな光が降り注ぎます。2階の各個室に繋がる廊下が簡素な手摺を介して吹抜に面しています。煙突は屋根を貫く部分は屋根屋さんに頼みましたが、後の部分はF氏と私とで設置しました。背面のレンガの壁は壁から少し浮いていて、床下の空気が上がってくるように出来ています。壁の冷却と給気を兼ねています。これは非常にうまくいきました。冬場は家族みんなが何とはなしに薪ストーブの周りに集まって、燃える炎を眺めながら話をしたり、寝そべって本を読んだりすることが多くなったので、惰性でテレビを見るような時間が減ったそうです。